社会福祉法人 神愛園を検証する
“神の園”から離れる人心

2023年05月号

法人事務局がある特養 神愛園手稲(手稲区金山)

パワハラ疑いの幹部2人がコロナ渦中にラブホで密会

札幌市内の手稲区と清田区に特別養護老人ホームを中心とする事業拠点を構える社会福祉法人 神愛園(本部手稲区・後藤学理事長)。キリスト教の精神に基づいて設立され、半世紀以上の歴史を歩んできた社福で噴き出したのが幹部によるパワハラ疑惑と“コロナ不倫”問題だ。札幌では老舗の社福である神愛園でいったい何が起きているのか──。

(本誌編集長・工藤年泰)




幹部のパワハラ疑惑を「うがった見方」と一蹴


 神愛園とはどのような社会福祉法人なのか。産声をあげたのは今から53年前の1970年。同年5月、札幌市内としては2番目となる特別養護老人ホーム神愛園(現在は神愛園手稲)を手稲区金山地区に開設したのがその始まりだ。この2年前の68年、北海道クリスチャンセンターで設立期成会が発足。熱心な信者たちが社福の立ち上げを後押ししたと言われ、初代理事長には当時、酪農学園大学名誉教授だった太田一男氏が就いている。
 以後、軽費老人ホームの開設などを経て1997年3月には、清田区に「神愛園清田高齢者福祉総合施設」を開業。特養「神愛園清田」を中核にケアハウスや居宅支援(デイサービス)を併設する法人としての第2の拠点を整備する。その後、2007年7月には手稲区金山地区に小規模多機能型居宅介護事業所(小規模多機能ホーム)「神愛園かなやま」を開設。2015年には老朽化した特養神愛園手稲を移設するなどして今に至っている。
 現在の理事長は、常務理事を経て17年2月にトップに就任した後藤学氏(67)である。
 このような神愛園で噴き出している問題のひとつが幹部によるパワハラ疑惑だ。情報提供を受け、記者はさる1月から職員をはじめとする関係者に接触を重ね取材を続けてきた。
 そのひとりが口を開く。
「私たち現場の職員が最も訴えたいのは、一部の幹部により法人全体のガバナンスが歪められ、経営的にも甚大なダメージを受けているということです。ここ数年、彼らは自分たちにとって都合の悪い職員を攻撃、排除し、その結果重要なポストにいた大切な職員が数多く退職していきました。暴言やハラスメントによる心理的な圧迫で追い詰めるのが彼らの常套手段。数々の的外れな施策に加え辞めさせた職員の補充のための多額の支出が発生し、法人の資金がどんどん目減りしています。これまでどれだけ紹介料を人材会社に払ったことか」(職員)
 この「一部の幹部」とは、神愛園の法人事務局長(63)と小規模多機能ホーム「神愛園かなやま」の女性施設長(42)を指し、2人はともに法人理事の立場でもある。
 事務局長はコンサル会社などを経て2015年に幹部扱いで神愛園に入職。一方の施設長は16年に「特養手稲」に介護職として入職し、21年に「神愛園かなやま」の責任者と理事に抜擢されたという。
 関係者によれば、この2人は“男女の仲”とされている。事務局長は既婚者でいわゆる妻子持ち、施設長はシングルマザーで、事実なら不倫関係に当たる。こうなると女性が入職5年後に異例の出世を果たしたことに「事務局長が恣意的に後押ししたのではないか」という憶測が生まれてもおかしくない。

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