倶知安観光協会の吉田聡代表理事が「ニセコバブル」に反論
世界が認めた確かな実力

2024年04月号

今シーズンは60数カ国からスキー客が訪れたという(写真は倶知安町のニセコHANAZONOリゾート)

「バブル」と言われ続け20年
正しく評価されないニセコ


倶知安とニセコにまたがるいわゆる「ニセコエリア」が外国人スキー客で大賑わいだ。コロナ禍を経たいま、円安も追い風に国際的なスキーリゾートとして完全復活したと言っていい。しかし、一部メディアや識者の間には「ニセコバブル」と称して先行きを危ぶむ論調も少なくない。果たしてバブルに踊っているのか、それとも世界に認められた本物の人気なのか。おりしもスキーシーズン真っ只中、倶知安観光協会の吉田聡代表理事にニセコエリアの現状を訊いた。

(3月4日取材 佐久間康介)

完全復活したニセコエリア
地元で大きな手応えを実感


 ──コロナ禍が明けて、再びニセコエリアが海外スキー客で賑わっています。それを称して「ニセコバブル」という言い方をする人もいる。
 吉田
 私は、バブルとは全く思っていません。ここニセコエリアは「バブル」と言われ始めて20年も経っています。いったい何年続けばバブルではなくなるのかと逆に問いたい。
 バブルとは、文字通りいずれ弾けてしまうということでしょう。地元からしてみたら、なぜそういう報道が多いのか疑問に思います。
 需要と供給がマッチしていて、日本では経済成長率ナンバーワンのまちです。これほど賃金が上がって成長を続けているところは日本のどの地域を探してもないと思う。そろそろメディアにもニセコの実力を正しく評価してもらいたい。私は切実にそう思います。倶知安とニセコは、コロナ禍を経て完全復活したと言ってよいでしょう。
 ──スキーのリフト待ちの時間が長く混雑していることが敬遠され、スキー客のコア層が離れつつあるという指摘もあります。
 吉田
 コア層とは誰を指しているのでしょうか。スキーフリークの人たちは、いまでも来ていると思います。倶知安ニセコに先鞭を付けたオーストラリアのスキー客が減っていると言われますが、オーストラリアの人口は約2600万人ですから、そもそもスキーをする人の絶対数が少ないのです。
 その分の客が減ったとしても、ヨーロッパをはじめ世界中のスキー客が不足分を十分に埋めています。コロナ禍が明けて、今まで以上にスキー客を世界中から集めているという手応えが地元にはあります。

ニセコエリアの実力を正しく評価してほしいと吉田代表

(よしだ・さとし)1967年虻田郡倶知安町出身。函館ラサール高校、中央大学法学部卒。1992年に司法書士試験に合格し93年に札幌で開業。99年から1年間カナダ・バンクーバーに留学、2000年に倶知安で司法書士事務所を開設、現在は札幌と富良野にも事務所を持つ。16年5月から倶知安観光協会代表理事。57歳

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