学長解任騒動、想定外の余話
どうした、道新

2021年08月号

「侵入」で逮捕された記者の身柄を2日間弱にわたって拘束した警察は、釈放後の現在も捜査を継続中という(旭川市の北海道警察旭川東警察署)

旭医大取材中の記者が逮捕。読者報告まで2週間の沈黙

旭川医科大学の学長解任問題をめぐる報道で、取材にあたっていた新聞記者が建造物侵入で現行犯逮捕される“事件”が起きた。公共施設への立ち入りを犯罪とみなした大学や捜査当局の不可解さとともに、当該記者の所属する報道機関の歯切れの悪い対応は今後長く記憶され続けることになるだろう。少なからぬ同業者の強い関心を集めることになったその事件は、本稿締め切り時点でまだ終わっていない。(取材・文 小笠原 淳)
 

自社報道に不信の声噴出

 
 北海道警察がその事件を発表したのは、旭川医科大学で学長人事をめぐる選考会議が開かれた6月22日のこと。同会議の取材にあたっていた北海道新聞の20歳代の女性記者が、立ち入りを制限されていた会議室前に足を踏み入れ、建造物侵入で現行犯逮捕されたというのだ。
 地元報道関係者によると旭医大はその日午後、会議室のある「看護学科棟」へ立ち入らないよう報道陣に要請していた。当時の事情を知る1人が振り返る。
「大学はその4日前にも同じ看護学科棟で会議を開いたんですが、その場に5人ほどの記者が駈けつけ、取材をめぐって事務局と小競り合いになったんです。この一件で先方がピリピリしてしまって、22日は『会議終了後の午後6時には“ぶら下がり”に対応するから』と、現場に立ち入らないよう求めてきました。理由としては『新型コロナウイルス感染拡大防止』ということでしたが、大学は以前から各社が会議のたびに内部情報を得て報道するのを嫌がってたので、その日もやり取りを漏らしたくなかったんでしょう」
 先手を打たれた現場の記者の多くは要請を呑んで看護学科棟への立ち入りを控えたが、先の女性記者のみはこれに従わず、果たして会議室前で大学職員と鉢合わせてしまう。同記者を外部の人間と判断した職員は眼の前の相手を“常人逮捕”し、地元の旭川東警察署に引き渡した。道警は同日午後7時半に逮捕の事実を発表、翌日にかけて地元報道のほぼ全社が「記者逮捕」の報を発信することになる。
 この時、唯一「容疑者」の実名を報じたのが、女性記者の勤務する道新。
 

事件後、社内では会社への批判の声が噴出することに(札幌市中央区の北海道新聞本社)

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旭医大の会見では、逮捕の件で質問を試みた全国紙記者に道新記者が「捜査中なので」と割って入る一幕があった(6月28日夕、旭川市内)=撮影・工藤年泰編集長

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