吉川元農水相をめぐる贈収賄疑惑の背景とは
カネで阻まれた家畜福祉

2021年02月号

日本の採卵鶏の多くはケージ飼いされている。1羽あたりB5~A4ほどのスペースにすし詰め状態、産卵箱や止まり木もなく鶏は消耗品として扱われる(中央左の写真)。脚や卵巣などの病気も多い。安価な卵は彼女たちの犠牲によって供給される(提供:認定NPO法人アニマルライツセンター)

世界で孤立する日本の養鶏業界

北海道2区選出の自民党衆院議員だった吉川貴盛・元農水相が養鶏業界大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表から現金1800万円を受領していた疑惑をめぐり大きな波紋が広がっている。前代表が多額の裏金を渡していたのはOIE(世界保健機関)が進めるアニマルウェルフェア(AW・家畜福祉)の国際基準づくりを阻もうとしたからだ。業界の意向を受けた農林水産省が基準の策定に異議を唱えた結果、日本のAW推進にブレーキがかかった。「脱ケージ」に舵を切った世界の潮流に逆光する日本政府のAW政策はこれでいいのか──贈収賄疑惑の背景にある採卵鶏のアニマルウェルフェア問題に焦点をあて、これまでの歴史や生産現場の実態などを紹介したい。(ルポライター・滝川 康治)
 

鶏卵業界と政治家の癒着が「贈収賄疑惑」で浮き彫りに

 
 正月早々、「吉川元農水相、計1800万円受領か在任中の前後にも」と『朝日新聞』がスクープした(1日)。養鶏業界大手の「アキタフーズ」の前代表と吉川貴盛元農水相をめぐる贈収賄疑惑の一件。大臣在任中の500万円を含め、15~20年に14回、現金1800万円を受領したとされる。3日付け同紙は前代表は西川公也元農水相に対する1500万円超の現金提供も供述したと続報。いずれも特捜関係者のリークに基づく記事だが、本号の発行時には立件されている可能性もある。
 前代表が農水族の政治家に現金を渡そうとした理由は、(1)採卵鶏のケージ飼いに否定的なアニマルウェルフェアの飼育基準案を示した国際機関の動きに反対する(2)鶏卵価格の低下時の損失補てん事業への便宜供与を求めたとされる。世界的な「脱ケージ飼育」の潮流に対応できぬ業界と、アニマルウェルフェア(AW)に対する見方を変えられない旧態依然の政治や行政のありようが今回、あらためて浮き彫りになった。
 日本の養鶏業は「密飼い」と「輸入穀物の多給」が特徴だ。採卵鶏の多くは、細い針金を格子状にして作られたケージを幾段にも重ねた中にぎゅう詰めにして飼育される。
 

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ケージ飼育とは対照的に「放し飼い」で鶏を飼う農場も(栗山町のThe 北海道ファームで)

麻生大学獣医学部 大木茂さん

米国のロサンゼルス市内で売られていた「ケージフリー卵」のパッケージ(大木さん配布資料から)

日本国内でも「平飼い卵」などの取り扱いが広がりを見せる(大木さん配布資料)

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