「桜」の陰に──
「業務停止」の波紋

2020年7月号

地元弁護士会は「品位を失うべき非行」があったとするが、処分を受けた弁護士はその事実を否定している(札幌市中央区の札幌弁護士会館)

首相がらみマルチ被害追及。告発者に不測の「待った」

5月下旬、地元の弁護士会が1人の会員の懲戒処分を発表した。交渉の場で暴言を吐いたとされるその人には、かつて別の不祥事で処分を受けた過去がある。だが今回、当事者たる弁護士は言い渡された処分に異議を唱え、暴言の事実を真っ向否定した。弁護士会に彼の懲戒を申し立てたのは、金融商品を扱う業界に対応する官公庁。くだんの弁護士はその役所に対し、ある大きな事件の告発を試みていたというのだが…。(取材・文 小笠原 淳)
 

暴言「事実無根です」

 
「実際のやり取りとはまったく違う文脈で発言を切り貼りされ、都合のよいストーリーをでっちあげられました。私は法令違反が疑われる事案の調査を求めていただけで、そもそも指摘されるような言動に及ぶ理由がありません」
 呆れ声でそう語るのは、5月25日付で札幌弁護士会の懲戒処分を受けた杉山央(ひさし)弁護士(40)。北海道財務局の職員に脅迫めいた暴言を吐いたとの理由で「業務停止3カ月」の命令を受けた。
 処分を伝える報道で引き合いに出されたのが、2年半ほど前に起きた暴行・器物損壊事件。札幌のタクシー会社が被害を受けたその事件は発生直後に大きく報道され、本誌も当時の誌面で概要を伝えた(2018年1月号)。この件で札弁は一昨年5月、加害者の杉山弁護士に「業務停止1カ月」の処分を言い渡している。
 

笑顔で握手する相手との関係を問われた安倍晋三総理大臣は「存じ上げない」と国会答弁した(2016年8月、山口・下関市のUZUハウス)=杉山央弁護士提供

48社が業務停止命令を受けたころには、すでに「桜」写真などで被害が拡大していたとされている(2017年10月27日付消費者庁の報道発表)

笑顔で握手する相手との関係を問われた安倍晋三総理大臣は「存じ上げない」と国会答弁した(2016年8月、山口・下関市のUZUハウス)=杉山央弁護士提供

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