首相批判封殺の波紋⑦
道警 謝罪せず

2020年4月号

一連の現場対応を、道警はすべて「必要な措置」と言い切った――中央に山岸直人・警察本部長、左側に立つのは原口淳・警備部長、その後ろに岡田昭広・公安二課長(2月26 日午前、北海道議会総務委員会)

7カ月半経て“事実”報告警察・検察 排除を不問に

「必要な警察措置を講じたものであります」――。7カ月半を費やした“事実確認”の結果、現場の警察官たちの行為はすべて不問に附された。捜査にあたった検察もまた、告訴事件のすべてで不起訴を決めた。幕引きをはかる捜査機関に対し、もう一方の当事者たちが上げる声は、ここに来てむしろ勢いを増しつつある。北海道警察・首相演説野次排除問題は、まだ決して終わっていない。(取材・文 小笠原 淳)
 

排除行為「適法」と検察。議会前日の不起訴決定

 
 北海道弁護士会連合会(札幌市中央区、八木宏樹理事長)がその問題で2度めの声明に踏み切るころ、地元議会の日程はまだ公表されていなかった。
《民主主義の根幹を揺るがしかねない異常な事態と言わざるを得ない》
 (2月17日付『理事長声明』)
 昨年7月の首相演説野次排除問題発生から、7カ月強。いっこうに説明責任を果たそうとしない北海道警察の姿勢を、道弁連は強い言葉で指弾していた。
《本件排除行為から半年以上を経過しても、なお何らの説明も行わないという状況は、北海道警察が説明責任を放棄し、北海道公安委員会がこれを是認していると評価されてもいたし方ない》
 (同前)
 排除当事者の告訴を受けた検察が捜査の結果を発表したのは、この1週間後。一方当事者たる道警が事実確認結果の議会報告に臨んだのは、その翌日のことだった。
 

絹田菜々さんは女性警察官2人に両腕を掴まれ、男性警察官少なくとも6人に囲まれた(昨年7月15日夕、札幌市中央区のJR 札幌駅前)=江別市の男性が撮影した映像から

プラカード掲示を制止された後、別の場所で「警察官に肩を小突かれた」と、山口たかさん(昨年7月15日夕、札幌市中央区の大通地区)=同行した女性が撮影

国賠訴訟は2件に増え、弁護団は先行する大杉さんの訴訟との「併合審理」を求めている(2月27日午後、札幌市内で設けられた提訴後会見)

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告訴・告発は奏功せず、排除行為に捜査機関からのお墨付きが与えられる結果に(札幌市中央区の札幌地方検察庁)

大通地区で排除される大杉雅栄さん(右端)――頸に警察官の手が伸びているのがわかる(昨年7月15日夕、札幌市中央区)=桐島さと子さん(仮名)が撮影した映像から

告訴・告発は奏功せず、排除行為に捜査機関からのお墨付きが与えられる結果に(札幌市中央区の札幌地方検察庁)

大通地区で排除される大杉雅栄さん(右端)――頸に警察官の手が伸びているのがわかる(昨年7月15日夕、札幌市中央区)=桐島さと子さん(仮名)が撮影した映像から

絹田菜々さんは女性警察官2人に両腕を掴まれ、男性警察官少なくとも6人に囲まれた(昨年7月15日夕、札幌市中央区のJR 札幌駅前)=江別市の男性が撮影した映像から

プラカード掲示を制止された後、別の場所で「警察官に肩を小突かれた」と、山口たかさん(昨年7月15日夕、札幌市中央区の大通地区)=同行した女性が撮影

国賠訴訟は2件に増え、弁護団は先行する大杉さんの訴訟との「併合審理」を求めている(2月27日午後、札幌市内で設けられた提訴後会見)

 

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