生鮮食品卸道内大手・いずみホールディングスの虚実
水産物の巨額な架空取引を恩人から訴えられ全面敗訴

2020年1月号

泉卓真氏が社長を務める「いずみホールディングス」の本社(札幌市西区二十四軒)

司法に断罪された“ベンチャーの星”

「食品流通のOS(オペレーションシステム)を創り新しいインフラで世界中に豊かさを届ける」。こんな社是を掲げるのが、株式会社いずみホールディングス(本社札幌)だ。水産物や農畜産物などの生鮮食品卸にインターネットシステムを取り入れ、独自のビジネスを展開する期待のベンチャー。そんな企業の創業者で社長を務める泉卓真氏が水産物の架空取引で損害賠償訴訟を札幌地裁に提起され、今年7月に全面敗訴していたことが分かった。泉氏の華やかな顔の裏側、そこには不正に手を染めていた別の素顔があったようだ──。(佐久間康介)
 

“地力をつける期間”に架空取引を繰り返した男

 
 本稿の主人公、泉卓真氏は1977年生まれで札幌東陵高校卒業後、札幌の回転寿司チェーンに就職する。いくつかの職を経験して2004年に現在のグループ会社の原点である水産卸業「いずみ」を設立。回転寿司チェーンに勤務していたころから関わりのあった水産物卸売業者の北水大協水産株式会社(以下北水・本社札幌)と取引を始める。当時、泉氏は20代半ば。裸一貫で水産卸売業を立ち上げた彼に北水も協力を惜しまなかった。
 当時から社長を務めている北水の山崎由紀江氏は、創業間もない泉氏の面倒をよく見たという。そのころ魚の加工場を持っていなかった泉氏は、北水の加工場を使わせてもらいながら卸として販路を着々と広げていった。
 泉氏は直近に掲載された経営情報サイト「INOUZTimes(イノウズタイムズ)」のインタビューに答
え、「(創業して)まずは10年間、地力を徹底的に付けることに取り組んだ」として「徹底的に仕入網を構築し、徹底的に販売網を構築して、その間を徹底的な合理化するという当たり前のことをどこよりもしっかり行なった」と述べている。その土台の上に最新テクノロジーを使い生鮮食品の競りをネット上で行なう「生中継競り」やサイトを通じた卸売などで急成長、19年1月期はグループ全体で60億円の売上高を確保したとされる。
 持て囃されるベンチャーの星だけあって、創業当時からやはり常人ではなかったと感じさせる発言だ。しかし、泉氏はこうした創業時の美談の裏側に別な顔を隠し持っていた。
 同氏は、創業当時から何かと面倒を見てもらっていた北水から損害賠償請求訴訟を札幌地裁に提起され、審理で明るみになった不正行為を裁判所が認定。このほど全面敗訴している。前出のインタビューを引用すれば「徹底的に地力を付ける」期間に、泉氏は北水を裏切る行為を重ねていたことになる。
 

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泉卓真氏(いずみホールディングスのホームページから)

北水大協水産の本社(札幌市西区八軒)

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