狩人、銃を奪われる(4)
「早く山へ帰って」

2020年10月号

目撃情報は8月下旬から急増、複数の地区で出没が確認され始めた(8月26日夕、砂川市内)=北海道猟友会砂川支部提供

ヒグマ出没止まらぬ砂川。銃所持裁判は現地調査へ
 
 8月下旬から9月初めにかけ、砂川市の住宅地でヒグマの目撃情報が相継いだ。市内での報告数はすでに昨年度1年間のそれを上回り、おもな出没地点に市職員らが毎日“出勤”している状況。一方、地元猟友会役員の銃所持許可をめぐる裁判では非公開の弁論準備手続きが進み、裁判所が現地調査にあたる可能性が浮上してきた。“撃てない町”の騒がしい夏は、まだ終わりそうにない。(取材・文 小笠原 淳)
 

前年度の倍に迫る勢い複数地区で目撃相継ぐ

 
「土曜・日曜も朝から夕方まで職員さんが来てますよ。毎日たいへんだと思います」
 砂川市北東部の空知太地区で地元町内会の顧問を務める森下博之さん(83)は、8月下旬から市職員や警察官とやり取りする機会が増えた。9月4日には善岡雅文市長が自宅に来訪、当面の行政対応などについて報告を受けている。
 おもに明け方や夕暮れ近くにひょっこり姿を現わす珍客――体長1mほどのヒグマは、本稿締め切り時点でその行方がわかっていない。地元猟友会関係者は、親離れまもないと思われるそのクマが住宅近くに“ねぐら”を確保し、人の動きを意識しながら地域内を移動しているとみている。8月30日の朝に自宅の窓からクマを目撃したという森下さんは「早く山へ帰ってくれたら」と思うばかりだ。
「小高い丘に登っていくところを見ました。毎朝5時ごろにウォーキングする日課があるんですが、今は変に刺激してはいけないと思うので中止しています。まだ小さいし、もと来た所におとなしく帰ってくれればいいんですが、帰り道がわからなくなっちゃったのかもしませんね」
 

砂川市は戸別配布のチラシを作製、地域の各世帯に直接投函して注意を呼びかけた(9月1日に配布された『ヒグマ目撃情報』)

公安委員会を訴えた池上治男さんは初弁論後、提訴の真意を「自分だけの問題ではない」と話していた(7月3日午前、札幌地方裁判所前)

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今のところ市民が危害を受ける事故は起きていないが、肥料などの食害が1カ所で報告されている(8月28日夕、砂川市内)=道猟友会砂川支部提供

砂川市は戸別配布のチラシを作製、地域の各世帯に直接投函して注意を呼びかけた(9月1日に配布された『ヒグマ目撃情報』)

今のところ市民が危害を受ける事故は起きていないが、肥料などの食害が1カ所で報告されている(8月28日夕、砂川市内)=道猟友会砂川支部提供

公安委員会を訴えた池上治男さんは初弁論後、提訴の真意を「自分だけの問題ではない」と話していた(7月3日午前、札幌地方裁判所前)

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