道知事選・札幌市長選に表れた民意を読む
知事選で圧勝の鈴木直道に問われる「道民目線」の真贋

2019年5月号

当確の報を受けバンザイ三唱で喜ぶ鈴木と支援者(4月7日午後8時過ぎ)

4月7日夜、今後4年間の道政、札幌市政の行方を占う統一地方選前半の勝敗が決した。16年ぶりの新人対決で全国唯一の与野党一騎打ちとして注目を集めた北海道知事選では、自公などが推す鈴木直道(38)が野党統一候補の石川知裕(45)におよそ66万票差をつける162万1171票を獲得し圧勝。また札幌市長選では与野党から幅広い支持を受けた現職の秋元克広(63)が下馬評通り優勢のまま戦いを進め、共産党推薦の無所属新人・渡辺達生(54)に2倍以上の票差をつける63万4365票を得て再選を果たした。注目候補者の戦いを振り返りつつ、道政・札幌市政の今後を占ってみる──。(髙橋貴充、文中敬称略)
 

鈴木道政の未来予想図

 投票が締め切られた4月7日午後8時を回ると、開票速報を伝えるテレビは早々と鈴木の当確を報じた。
 注目の北海道知事選は鈴木の大勝で決した。とはいえ対抗馬の石川が得た票数は、あと4万票ほどで100万票の大台に届く96万3942票。前回知事選で現職の高橋はるみを相手に“善戦した”と評価され、今回選挙でも市民団体から擁立の動きがあった佐藤のりゆきの当時の得票数は114万6573票。これと約20万票ほどの差があるとはいえ、100万に近い票数は決して少ないとはいえないだろう。
 だが、それにも増してとにかく鈴木が多くの支持を集めたというのが今回の結果と言える。投票率が58.3%(前回は59.6%)と過去最低を記録した中で、野党陣営にとって頼みの綱である無党派層も鈴木が大方取り込んだ格好だ。
 鈴木圧勝の要因──。やはり大きかったのは彼の人物像だろう。本誌でも何度か触れているが、若くして財政破綻した夕張市の舵取りを担い、自身も市長報酬を7割カットするなどして身を削りながらまちの再生に尽力。その努力が実り、2026年度までに悲願である財政再生団体からの脱却が果たせる見通しがついたかと思えば、今度はこれまでのキャリアを全て投げ打ち、課題が山積する北海道のトップに挑戦する。若き清貧のイメージをまとったチャレンジャーがモットーとするのは“大義ある逆境への挑戦”。加えて容姿は対立候補まで認めるいわゆるイケメンだ。
 

敗戦の弁で深々と頭を垂れる石川

候補者擁立をめぐり経済界の団結に腐心した後援会幹部の面々(左から後援会長の似鳥昭雄・会長代行の大谷喜一・会長特別補佐の長内順一)

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本誌でお馴染みの黒田伸(左)は札幌市西区道議選で善戦したが初当選ならず

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