道警不祥事から考える〈36〉
「目立たない奴だった」

2019年12月号

採用まもないころの写真には笑顔のショットが多く残るが、当時は「陰キャ」だったという(警察学校時代のスナップ)

下着盗撮の警官に窃盗の余罪。処分は免職、身柄は拘束せず

10月末、北海道警察の男性警察官が懲戒免職となった。7月中旬に下着盗撮の現行犯で逮捕された彼はその後、ほか複数回の盗撮と住居侵入、窃盗の疑いでも捜査されていたという。一連の不祥事は札幌市内と胆振管内で起きていたが、事件は懲戒処分の直後に函館の検察庁へ移送された。警察本部の執行隊に勤める精鋭は、新人のころから「目立たないキャラクター」だったという(取材・文 小笠原 淳)
 

在宅捜査に「特権」疑う声

 
 10月30日、北海道警察本部の監察官室が本年初めての懲戒免職処分を公表した。同日付の『報道メモ』で伝えられた処分理由は、道迷惑行為防止条例違反と住居侵入、及び窃盗。当事者は匿名で「A巡査長」とされている。
 元巡査長の事件が発覚したのは、3カ月半を溯る7月16日。その日の夜、彼は札幌市中央区の大型書店で女性の下着を盗撮し、現行犯逮捕された。事件の発表に際しては、尾辻英一・監察官室長が「捜査の結果をふまえて厳正に処分する」とのコメントを発している。
 10月になって当人への「免職」処分が伝えられたように、その制裁は確かに「厳正」なものだった。先の『メモ』には、この時点で調べがついていた余罪が記されている。《令和元年7月16日、札幌市内の商業施設において、A さん(10歳代、女性)ほか複数名の女性に対し、スカート内にカメラを差し向けて下着を撮影した》《平成29年3月、胆振総合振興局管内の住宅に侵入し、衣類を窃取した》
 記者クラブ加盟社の関係者によると、札幌で盗撮の被害に遭った「複数の女性」はいずれも未成年、胆振管内の住宅で「窃取」されたのは女性の下着だった。元巡査長は、逮捕時点で28歳。2010年に道警に採用され、事件当時は道警本部の自動車警ら隊に勤務していたという。
 7月の盗撮事件について、地元記者は次のように話す。「靴の中にカメラを仕込んでいたようです。かなり凝った仕掛けだったらしいので、常習でしょう」
 下着泥棒の余罪も合わせると、懲戒で最も重い免職処分は妥当だったと言えるだろう。一方、捜査のあり方については頸を傾げざるを得ない部分もある。別の記者の証言を。「書類送検でした。身柄を拘束せず、在宅で調べるってことですね」
 盗撮や窃盗の容疑者が、逮捕後に釈放されていた――。警察官ではない人が彼と同じ事件を起こしたとして、果たして同じ扱いになるだろうか。
 

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事件は逮捕現場から300kmほど離れた地に移送され、在宅捜査が続いている(函館市の函館区検察庁)

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