新ひだか町発・新しい「アイヌの英傑像」に噴き出す批判
新シャクシャイン像は民族分断のシンボルか

2019年11月号

新ひだか町の真歌公園に建つ現在の「英傑シャクシャイン像」

浮上した「町とアイヌ協会の二人三脚」

かつてのアイヌ民族の英傑、シャクシャインを顕彰した像を昨秋、所有者である新ひだか町(大野克之町長)が解体撤去し、新ひだかアイヌ協会(大川勝会長)が新しい像を建立した問題が地元でくすぶっている。かつて全道のアイヌ関係者の総意の下で建てられたシャクシャイン像は、なぜ葬られることになったのか。見えてきたのは町役場とアイヌ協会による「二人三脚」の構図だ。マスメディアが触れないこの問題の深層とは──。(本誌編集長・工藤年泰)
 

失われたアイヌの総意

 
 江戸時代の1669年6月、不平等交易で困窮していた当時のアイヌたち約2千人を率いて松前藩と戦ったとされるシャクシャイン──。
 そのアイヌの英傑を偲ぶ法要祭(実行委主催)が9月23日の祝日、新ひだか町の真歌公園で行なわれた。あいにく当日は台風の影響でしだいに雨脚が強くなり、屋外で予定されていた多くの行事が中止を余儀なくされた。
 ここで毎年法要祭が行なわれていることには理由がある。付近にシャクシャインの最後の砦(シベチャリチャシ)があったことを踏まえ、「英傑シャクシャイン像」が建てられているからだ。
 だが、これまで長く親しまれてきたかつての姿を見ることはできない。昨年9月20日、法要祭の直前に「老朽化が進み、倒壊の恐れがあり危険」とする町によって解体撤去されるという末路を辿ったからだ。
 

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旧像があった場所に残る台座と「ユカルの塔」(真歌公園)

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