悲劇乗り越え、障碍者支援を
ようやく息子は“被害者”に――

2018年8月号

法務省保護局長通達の5日後、木村邦弘さんは北海道精神障害者社会福祉事業協議会の研修会に参加、足を運んだ30人に成果を報告した(6月30日午後、札幌市白石区の札幌市産業振興センター)

「心神喪失」事件の情報提供、始まる
札幌の遺族が挙げた声、実を結んで

長く求め続けて得られた成果を、その人は「大きな一歩」と評価する。これでようやく、息子は“被害者”になることができた――。
2014年2月、札幌市内の精神障碍者グループホームに勤める男性が、心神喪失状態の施設利用者に殺害される事件が起きた。加害者の起訴が見送られ「医療観察」が決まったことで、遺族は事件の“蚊帳の外”に置かれることになる。理不尽な制度の改善を訴え続ける声を国が聴き入れ、その「一歩」を示したのは、本年6月下旬のこと。
突然の悲劇から、4年あまりが過ぎていた。
 

権利回復への第一歩
今夏、局長通達に結実

 あれは「事件」だったのか、それともそうではなかったのか――。
 札幌市の木村邦弘さん(72)はこの4年間、そう問い続けてきた。
「加害者は『医療観察』の対象になり、通常の裁判はありませんでした。形としては事件そのものがなかったことになり、息子はいわば事故か何かで亡くなったような扱いです。ところが『医療審判』の結果を伝える通知には、『刑法199条』(殺人を定義する条文)の文字がある。ということは、これは事件なのか、事件でないのか…。そういう宙ぶらりんの状態がずっと続きました」

法務省は法改正ではなく運用変更という形で、早期の実態改善をはかった(6月25日付保護局長通達『医療観察制度における被害者等に対する対象者の処遇段階等に関する情報の提供について』)

矢部滋也さんは5年ほど前に双極性障害を経験、のちに障碍当事者として「ピアサポート」の考え方に出会うことになる(札幌市内)

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事件が起訴されなかったことで「息子は2度殺された」と、木村邦弘さんは言う(2014年2月、札幌市白石区の事件現場)

本年で4回めとなるシンポジウムは保護観察所の社会復帰調整官などを招いて開かれ、参加した精神科医から「被害者の権利保障は障碍者の偏見解消に通じる」などの感想が聴かれた(6月16日午後、札幌市中央区の札幌市教育文化会館)

長男・弘宣さんと妻・雅子さんの遺影に「大きな一歩」を報告した木村さんは、本号発売時には全国初の情報提供希望を申し出ている筈だ(7月上旬、札幌市中央区の木村さん宅)

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